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◎超短編小説 ヘタレ男が下を向く(2/10)

 11. 「誤解’」

 難しい相手だから「ごかい」は覚悟しておけ、と指示された。

 「五回」なのか「誤解」なのか、聞きそびれた。

   そして、下を向く。

 12. 「泣く’」

 泣く子も黙るZ社のAさんに対抗するには、どうしたもんか。

 黙る子を泣かせるという手で、とだけ言って、白い目で見られた。

   そして、下を向く。

 13. 「結果’」

 結果は残酷だ。

 しかし、結果よりも残酷なのが、結果を待っている組織、だ。

   そして、下を向く。

 14. 「アイディア’」

 お前、何か良いアイディア、無いのか?

 良いアイディアがドンドン出てくるぞってなアイディア、ないっすかね。

   そして、下を向く。

 15. 「告白’」

 告白した。   過去形で。

 OKされた。  夢で。

   そして、下を向く。

 16. 「流れ星’」

 お前、流れ星みたいなヤツだよな。もちろん褒め言葉じゃないぜ。

 ああ、頼みたい時にはもう居ない、ってことね。

   そして、下を向く。

 17. 「モテ期’」

 お前、今、モテ期の真っ最中って感じだよな。

 いやあ~、先輩の時代はこれからっすよ!

   そして、下を向く。

 18. 「一人’」

 一人っきりで呑みたくなって、静かなバーのドアを開けた。

 カウンターに座っていた二人が振り返った。同期だった。

   そして、下を向く。

 19. 「再提案’」

 再提案です、と持って行った。

 Sir,痛ぇ案です、と返された。

   そして、下を向く。

 20. 「圧勝’」

 ××市の草野球で税理士チームが税務署チームに圧勝しました。

 それって、税理士が顧問先に得意げに報告して良いことか?

   そして、下を向く。

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 こちらが ↓↓↓「超短編小説(それでも前を向く)」のオリジナル

    http://www.game-roots.com/100/#

     (2013年秋作成)