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◎経過を残すことの難しさ

 あるベンチャー企業の創設者から依頼を受けて、商標登録出願をし、登録を得ました。
その後、創設者から社長が交代し、交代された社長さんから電話を頂戴しました。

 前社長から現社長へ伝わっていることが断片的であり、
その結果として、いくつかの誤解が生じていることが判明しました。

 初めて出願をしてから数年が経過しており、
前社長さんがどのような取捨選択をし、どのような意図や経営方針にて出願をしたのか、
といった、いわば会社の方針までは、外部の私には判りかねます。
 こちらからのさまざまなアドバイスを、取捨選択するのは依頼者なのですが、
リスク説明の内容、そのリスクを承知した上での判断などは、細かく伝わってはいなかったようです。

 現社長さんは、出願は全て私のアドバイスにしたがったのだ、と仰います。
説明したはずのリスクが実際に発生していることについてまで責任を取れ、
という辺りまで行ってしまうのか、とヒヤヒヤしました。
 これまでの経緯を文書化し、丁寧に説明することで納得いただいたので、ホッとしましたが、
胃が締め付けられるような気分の中、文書化の作業は楽ではありませんでした。

 前社長さんと私の間でのやり取りは、打ち合わせや電話など、口頭が多かったことも
現社長さんへ伝わりにくかった原因かもしれません。
 しかし、口頭での打ち合わせに基づいての社長さんの判断結果など外部では知り得ないことが
絡んでしまう事項を記録するのは、言うまでもなく困難です。

 どのような気をつけ方をすればよいのか、ここに記しておくのが難しいのですが、
ひとまず記録しておきたいと思います。

    (2013年12月作成)