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◎超短編小説 ヘタレ男が下を向く(5/10)

 41. 「道’」

 君の歩んできた道は、僕の歩んできた道と重なり・・・

 単なる交差点よ!

   そして、下を向く。

 42. 「糸’」

 見えない糸で手繰られてたんだ、俺達は。

 で、俺に見えない意図を発信しているのは、アンタだという噂だがね。

   そして、下を向く。

 43. 「チャンス’」

 ピンチの後にはチャンスあり。

 ピンチの時には私が出され、チャンスの時は上司が出てく。

   そして、下を向く。

 44. 「彼氏’」

 君に相談なんだけど、この件、彼氏にやらせてみよっか。

 課長、その彼氏って、課長の彼氏ではないですよね?

   そして、下を向く。

 45. 「うち’」

 ウチの会社ではですね・・・って聞き覚えのある声。

 あ、アイツ、もうウチの会社じゃなかったんだ。

   そして、下を向く。

 46. 「奇跡’」

 半世紀を掛けてようやくそなたに巡り会えたことは、ワシにとっての奇跡じゃ。

 じゃあ、鬼籍に入ってもらうわね。 ズキューン! 

   そして、下を向く。

 47. 「別件’」

 で、別件もあるってことだったけど、その別件って何?

 あ、無いよ。「別件も」と言わなきゃ来てくれなかったろ。

   そして、下を向く。

 48. 「忌憚’」

 忌憚のないご意見をどうぞよろしくお願いします、と挨拶した。

 挨拶直後から、忌憚のない罵声、ヤジが飛び交った。

   そして、下を向く。

 49. 「一年’」

 一年なんて、あっと言う間だと言うだろ。三年なら、あああっと言う間だよ。

 最近の「片道切符」は、そう言って手渡されるんですね。

   そして、下を向く。

 50. 「気持ち’」

 メガ気持ちいい、ギガ気持ちいい、テラ気持ちいい、・・・

 やっぱり、『ちょー気持ちいい』は超えられない。

   そして、下を向く。

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 こちらが ↓↓↓「超短編小説(それでも前を向く)」のオリジナル

    http://www.game-roots.com/100/#

     (2013年秋作成)