進歩性を否定する旨の拒絶理由通知を受け取り、対応補正案を作成してお客様へお送りしました。
私には、拒絶理由通知には合理性があると思えたので、
数値限定などの構成要件を加えることはやむを得ないと考えていました。
お客様(の発明者)は、中小企業の社長様であり、
お送りしたのは、ある構成要件に数値限定をした補正案でした。
ほどなく、社長様から お怒りの電話が。
こんな数値を入れた特許なんか欲しくない!
ということです。
審査官が進歩性を否定する根拠として列挙したある引用文献についても、
その出願の発明者は、オレがよく知っている奴なんだ。
そいつの会社が長年かかっても、オレの発明よりも
高くて性能の悪い製品しか造れなかったんだ
とまくしたてます。
社長様は、意見書だけで戦え、と仰っているように聞こえました。
電話では冷静な話ができないようだったので、審査官面談を提案しました。
審査官を前に熱弁を振るう社長様の声を冷静に聞いていると、
(お怒りの電話から数日が経過していたので、私も冷静になれることができた)
社長様の主張にも合理性が見えてきました。
進歩性をクリアするには、構成要件の限定や変更しかない!
というのは、経験から来る私の先入観であったかもしれない、と思えてきました。
突破せよ 意見書だけで 進歩性
先入観 絶つのを経験 邪魔をする
(2014年2月作成)