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◎専門外である不安よりも直感の後押し

 ライセンス交渉の現場に同行して欲しい、という急なご依頼をある社長さんから頂戴しました。
ライセンスの対象となる技術が自分の専門外だから、と申し上げたのですが、
技術云々ではなく、とにかく来てくれ、ということでした。
 そのため、その技術の予備知識を入れる暇もなく、同行することになりました。

 ご依頼を頂いた社長さんも、その技術に詳しいわけではない、とのことだったので、
不安を抱えながらの同席でした。
 結局、技術の内容に踏み込んだ話し合いまでは至らず、両社の基本姿勢を探る、
というような段階の交渉である、ということが、その現場で分かってきました。

 その交渉の後、社長さんが私に質問されました。

   彼はホンモノだと思うか?

交渉相手が人間として信用できるのか、という質問です。

   向こうの社長さんには、どうも安心できない感じを受けました

と、私が感じたままを答えると、

   やはりそうか。私もそう感じたのだが、君もそうか。

と納得をされた顔となり、

   よし、あそこ(交渉した相手)は、切ろう(取引を止めよう)!

と決断されました。
 依頼をくださった社長さんは、自分以外の人間の直感を欲していたのかな、
と思いました。
 技術内容の理解は不要、という最初の依頼も、目的がそうだった、
ということなら合点がいきます。
 自分以外の人間として私を人選した、という点には疑問が残るのですが(笑)。

   (2014年10月作成)