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◎幽霊を怖がることなく正体を突き止めよう

 ある開発者が相談にいらっしゃいました。

   企画会議で、××を達成できる機構を開発したい、ということになったのですが、
   Z社というところが、××については全て特許で抑えている、ということで、
   どうしたらいいのか分からなくて・・・

という相談でした。
 さっそくZ社の名前で検索をしてみたのですが、1件もヒットしません。

   Z社は大きな会社ですか?  いいえ、そうではありません。

ということだったので、ホームページを探して社長名を調べ、
その社長名で発明者検索をしました。
 すると、1件の特許がヒットし、確かに特許査定となっていました。

   ああ、やっぱりダメなんですね

特許公報の図面を見ながら、その開発者がため息をつきました。

   XXというコンセプトを、この特許ではA部材で達成しています。
   A部材を支えているB部材で、XXというコンセプトを達成できませんか?

特許請求の範囲を読んで、私は質問しました。
 開発者は、

   B部材でもXXというコンセプトを達成できそうですけど、
   このコンセプトは、Z社の特許じゃないんですか?

と驚いています。
 彼は、コンセプトが全て特許されている、と思い込んでいたようで、
それは彼の上司も同じだったようです。
 私は、

   幽霊がいる、と怖がらずに、幽霊の正体を突き止めましょうね。

と答えました。

   (2014年12月作成)