ある交渉ごとをしている方に、弁護士さんの紹介を依頼されたので、
その交渉内容をざっと把握し、依頼された方の要望や性格などを自分なりに考え、
知り合いの弁護士さんを紹介しました。
その後、掛かってきた電話でのお話を聞いてみると、
私による弁護士さんの紹介はうまくなかったようです。
契約書の内容が不明確だとか、交渉過程の記録が文書化されていないとか、
そういう不十分な状態であると認識しているからこそ、
弁護士さんにお願いしたいのだ。
十分整っているなら、自分でも(交渉や訴訟を)できるんだから。
弁護士さんに対する彼のコメントは、そんな感じでした。
交渉事における「不十分な要件」を「十分と見せかける」論理構築は、
自然科学の業界ではありえない、凄い技 を敏腕の弁護士さんは使うようです。
彼のコメントは、なるほど合理的だな、と思いました。
進歩性に乏しいけれど何とかしましょう
と引き受け、特許査定へ持って行く、ということは、
特許実務の世界における類似性が少しはある、とは思っていました。
しかし、特許実務家が思うほど類似していない、と感じました。
(そうかなぁ、と思ってはいたけれど、この一件で実感しました。)
弁理士の仕事は、弁護士さんのそれに似ています、なんていう台詞は、
敏腕弁護士さんからすれば、レベルが違いすぎるよ、と鼻で笑われるのでしょうね。
(2015年1月作成)