コンテンツにスキップするには Enter キーを押してください

◎意欲を奪われる環境とその原因(2/2)

 私が(1/2)の後半で書いたような話をすると、知人は、

   全員が契約社員になってしまえば、生産性は上がるのではないか

という仮説を述べました。

 全ての従業員が契約社員となったら、一時的な生産性は高まるかもしれません。
 しかし、短期では成果を数字に示せないような、たとえば品質の管理やその維持、
企業内ノウハウの伝承などは困難になるでしょう。
 中長期的に積み上げられる成果、というものは、契約社員では難しい面があるように思います。
 現実に、欧米流の成果主義を取り入れたいくつかの大企業が業績を悪化させ、元に戻した、とも耳にしています。
 企業はヒト、と言われる以上、その「ヒト」の多くが日本人である、という場合、
欧米流の成果主義だけで、競争に勝ち残れるのか(勝ち残るのは難しいように思える)。
 欧米流の成果主義を全否定するつもりもないのですが、
「全員が契約社員」という極論にも大賛成とは、私には思えないのでした。

 とはいえ、モチベーションが低い人が周りにいるということは、
自分が高いモチベーションを保つことについての逆流、意欲を奪われる環境になります。

 私は現在、デザイン専攻の学生、およびアントレプレナー専攻の学生の非常勤講師をしています。
彼らを見ていると、その多くが「自分の職業」を愛し、誇りを持つようになれるだろうな、と感じます。
 だからこそ、私が関わることの出来る学生さんには、

   『逆流が強くてもモチベーションを維持しろよ』

と伝えていこうと思います。
 天職に辿り着くには、また天職を全うし続けるには、
逆流であっても高いモチベーションを保つことが重要だから。

   (2015年2月作成)