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◎長期プロジェクトの終了(2/2)

 たいていのコンサルティング案件というもの(知財に限らない)は、期間に区切りがあります。
区切りがある、ということは、区切りが来ると売り上げ(収入)がなくなる、ということです。
収入がなくなってから慌てて次の仕事を探したのでは間に合いませんから、
区切りが来る前に、次の仕事を探さなければなりません。

 このことは、コンサルティングを志す方において、現実問題として考えておかなければならない。
(コンサルティング能力を磨く、という面とは別のことですが、必須なのです。
 この問題を「組織」に委ねようとするヒトがいますが、誤りです。
 こうしたカネに関わることを考えられない、というのは間違っている、と断言します。)

 時々見かける「申し出が無い限り延長する旨を記載した顧問契約」というのは、
この「区切り」をうやむやにする手法である、というのは言い過ぎでしょうか。
 「顧問契約」は、長期間にわたって不安無く続けられる仕事です。
しかし、期間に区切りのある仕事よりも緊張感は低くなってしまうということは否めません。

 期間限定のコンサルティング案件と、中長期の顧問契約とがバランスできているということが、
経営および相互(コンサルタントおよびクライアント)の発展のためには理想です。
 このバランスを取ることができているコンサルティング組織、コンサルタント個々人は、
果たしてどれだけある(いる)でしょうか。
「継続」に重きが置かれるようになって、あるいは継続のために「媚びる」ような事態になって、
それに気付かぬふりをして、・・・という辺りのことが、
時にニュースとなって世に出てきたり、時に糾弾されているのでしょう。

 理想論であることを承知の上で書きますが、
クライアントの利益にならないという事態となったら、そのプロジェクトは終了させること。
これが、コンサルタントおよびクライアント双方の健全さのために必要なのだと思います。

   (2015年3月作成)