ITを専門分野の一つとしている技術士さんと、
行政のIT化失敗のニュースに関する議論をしたときの話です。
彼は、行政のIT化は失敗のニュースばかり目にする、と言うのです。
彼は、民間企業でのITコンサルタントとしての経験が豊富でしたが、
行政のシステムに対しては、未経験のようでした。
一方の私は、自分の経験や、行政システムに関わったことのある友人の経験談から
以下のように言いました。
「IT」は、業務を効率化すること、に主眼があります。
民間企業は、効率化が利益率アップに繋がるので、インセンティブやモチベーションに繋がります。
しかし行政は、業務が効率化されると「ヒトが余ってしまう」という恐怖心が根底にあって、
最初から敵視しているようなところがあるようだ、と。
行政IT化プロジェクトの失敗要因はこれなのでは?
すると彼は、
行政のIT化には、行政マンのインセンティブに繋がるような提案内容が必要ですね
と言いました。
「システム」を使うのは人間だ、というフレーズをよく耳にするのですが、
この議論を通じて、その通りだなぁとつくづく思った次第です。
(2015年5月作成)