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◎お店には得にならないサービス

 旅先での土産物店で、お土産品を購入して郵送して貰うことにした時のことです。
同行者Tさんが自宅宛に購入したお土産品を、その土産物店にあった段ボール箱へ店員さんが梱包してくれていました。
私も同じように、別の店員さんがやって下さっていたのですが、Tさんと店員さんとのやり取りが聞こえてきました。

   「この段ボールでは大きすぎましたね」
   「いや、構わないですよ」
   「では、ちょっと段ボール、切りますね」

 私は自分の郵送先を送付伝票へ記入するのに忙しかったのですが、何のやり取りなのかが想像できました。

 その土産物店を出てから、感激した、とTさんが話しかけてきました。

   段ボールに切れ込みを入れて一回り小さな梱包にしてくれたので、郵送費が少し安くなった。
   店員さんにとっては、何の得にもならないのに・・・

 彼には間隙の体験だったかもしれないのですが、曖昧に相づちを打つことしかできませんでした。
同じような体験をしたことが、私にはあったからです。
 自分の感性が鈍くなっているような気がして、ちょっと落ち込んでしまいました。

      (2015年5月作成)