商品開発の会社(Y社)から相談がありました。
別の会社(Z社)が製造している、対象となる商品(α)に関して、
Y社に対して改良の要請があったというのが前提でした。
既存の商品αに対して付属品(β)を接続することで、
現状のαに対する問題点を解決したい、
解決策はだいたい見えてきたので、βに対する特許が欲しい、というのが、
Y社からの相談内容でした。
現状のαに対する問題点を表面的に捉えれば、さほど難しい内容ではありません。
また、問題点を解決したα’を製造することも、技術的には難しく無さそうです。
どうしてα’を製造しないのですか? βでは単価も低くなりますよね?
というのが、Y社に対する私の疑問でした。 その回答は、
既にαが大量に出回っているので、α’を新たに製造販売しても、簡単には売れない。
αそのものも、日常的に問題があるのではなく、所定の条件が発生した場合にだけ問題となる。
以上のことから、α’ではなく、βを開発したのだ、というのです。
βそのものは、現在の市場にはなく、α+βという商品も、現在の市場にはない。
だったら、βを特許出願すべき、という方針は妥当と言えます。
ところが、βという商品の製造技術は既存技術の組合せであり、
特許のポイントが見当たらないように思える。
相談の連絡をいただいた担当者さんは、(直観的に)そこへ辿り着いていたため、
私に相談を持ち掛けていただいたようです。
さて、私の智恵の絞りどころは、ここからです。
(2015年5月作成)