普通名称なのかどうか、地名なのかどうか、微妙な文字商標があり、
それを使いたい、と希望される場合は、少なくありません。
そのようなご依頼の場合に、私は、
登録される確率を高めるため、ワンポイントのイラストを入れることなどを
お薦めすることが多い。
しかし、イラストを作成するのが面倒、図形調査の費用がもったいない、
といった理由で、文字商標をそのまま出願することになる場合も少なくありません。
拒絶された場合の拒絶理由が3条であれば、誰もその文字商標を取得できない、
ということなので、使い続けることに問題はない。
そういう趣旨で出願しましょう、という結論になり、結果として拒絶された、という場合、
出願の意図、話し合いの経緯などをしっかり記録しておき、
依頼者にも、その記録を渡しておくことが、とても重要です。
依頼者における担当者が替わられる、ということを想定しておかなければならないからです。
しかし、替わられた担当者が商標制度に明るくない場合、
記録は残していたものの、細かいニュアンスが伝わらなくて苦労する、
という経験があります。
新たな担当者とすれば、登録が欲しくて出願したのに無駄になった、
と解釈され、「そうではない」ということに納得してもらうのに時間が掛かる、
といったことです。
(2015年6月作成)