非常に多くの分野のセミナーや勉強会への出席を趣味のようにしている
ビジネスマンの知り合いがいます。
彼と知り合ったのは、10年ほど前で、当時から彼自身の専門以外の
いろいろな分野の勉強会へ、熱心に参加されていました。
久しぶりにお目に掛かったのですが、そのスタイルが変わっておらず、
いまだに自分の興味の赴くまま、いろいろな勉強会へ顔を出しているとのこと。
スタイルを変えないその姿を見て私が思ったことは、
インプットとアウトプットとのバランスが悪いのかなぁ
ということ。
ある程度の年齢となったら、自分が磨いてきたひとつの(またはいくつかの)分野で
アウトプットをして、周囲に貢献する、というのが当たり前だと私は思うのです。
別に、教壇に立つとか、勉強会の講師をするとか、そういうレベルである必要はないが、
「それを知っていれば、他の分野でも使えるよね」という確固たる知識というか、技術というか。
ところが彼は、年齢を重ねてもインプットばかりしているように見えます。
多くのことを雑学的に知っているので、酒飲み話には事欠かない。
しかし、深みがないというのか、どこかつまらないと感じてしまうのです。
「器用貧乏」という言葉がありますが、
年齢を重ねてなお、器用貧乏というのは、(貴重な存在にはなれるのでしょうけれど)
井戸の中の蛙と揶揄される狭い狭い世界で生きている人のつまらなさに
どこか似ているような気がしたのでした。
(2015年8月作成)