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◎修正できない一発勝負

 日経BP社の月刊誌の付録として、知的財産権のミニ講義のDVD を収録して頂く、
という機会がありました。
 この機会を頂いた編集者さんとは20年来のお付き合いであり、
私が執筆したコラム、講義音声の編集においてお世話になっていました。
 動画による講義集録、というのは、今回が初めての経験でした。

 さて、原稿ならば、終わりまで到達してから前に戻って修正することが可能ですが、
動画撮影では困難です。自分一人では作業できないからです。
(音声講義は、やり直し録音が動画よりも、だんぜん簡単です)

 私が体験した収録は一発勝負、というほどの厳しさはなかったのですが。
編集後に約60分、という分量を、約3時間のスケジュールにて撮影して頂いたので、
単純計算では、3回分。やり直したり、その準備をしたりという時間がありました。
 よって、実際に撮影してもらっていたのは、2回分にも満たないでしょう。

 大学の授業で喋り慣れていますよね、と編集者さんからは言われたのですが、
学生を前にして喋るのと、私の声に反応することはないカメラを前に喋るのでは、勝手が違います。
 勝手が違う、ということは予想していたので、その練習もしてみました。
 そうした練習を含め、 準備には30時間くらいは費やしたのですが、いざ喋ってみると、
最後の方での説明が、前の方での説明とつながりが悪いことに気付いてしまったり・・・

 一発勝負の難しさを痛感した、貴重な体験でした。
収録の後で、「こう喋れば良かった」、「こういう伝え方をしたかった」などと思い浮かぶ。
俳優さんの気持ちも、少し理解できました(笑)。

   (2015年9月作成)