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◎ソフトウェア発明が解決しようとする課題について(2/2)

 ソフトウェア発明において、その発明が誕生した背景として
 何が問題なのかを明確にする、という作業は、書面化に少なくない字数が必要です。
この点を端折る(簡潔に書こうとする)と、
特許庁の審査官には、「容易に発明できた」との印象を与えてしまうおそれも大きい。

 実際は、何が問題なのかを明確にする前に、発明者から相談が上がってくることも多い。
発明者は、完成させた発明に関心が高いのですが、
   何が問題だったからこの発明が誕生したのか
という点が明確になっていないことが多い。
 また、何が問題なのか、ということが明確な言葉になっていなくても、
ソフトウェアの開発を進め、完成させることができるからでしょう。

 それゆえ、発明者が「提案書」を書いていただいている場合にも
その「先行技術」や「課題」の欄の文字数が少ないことが多い。
 経験が浅い頃の私は、そうした提案書に引きずられ、簡潔に終わらせがちでした。
しかし経験を重ねてからは、丁寧に、じっくり書こうと意識しています。

 ソフトウェア発明を次々と産み出す力は、たぶん現状の観察力、分析力に左右されます。
ですから、作成した特許明細書を発明者にフィードバックすることで、
発明者が自らの発明における着眼点や分析手法を客観視する機会になるはず。
 そしてそれが、次の発明誕生に寄与する、と信じています。

   (2015年11月作成)