国家試験や人数制限の厳しい狭き門の突破を目指すなら、
a)逃げ道(保険)を確保しておいた方が良いのか
b)退路を断って立ち向かう方が、狭き門を突破できる確率を上げられるのか
という選択に直面します。
以下、私の体験(およびその周囲の状況)を参考まで。
1980~90年代の弁理士試験の合格率は、3%前後でした。
私は大学卒業時に、特許事務所へ就職し、この試験へ挑戦することを決めました。
当時、予備校は充実しておらず、少人数の勉強会へ入会して勉強するスタイルが主流でした。
が、一次試験の結果が出る五月、二次試験の結果が出る十月になると、
毎年、多くの受験仲間が次々と脱落していきました。
合格できなくても食べていける、という企業勤めのサラリーマンなどは、脱落率が高かったと感じました。
つまり、脱落する多くは、a)であった、と解釈することは、それほど誤ってはいないと思います。
事実、合格者の2割弱が無職(つまり勉強に専念している)、6割以上が特許事務所の所員、企業勤めは2割に満たなかった、というのが、当時の数字です。
特許事務所の所員になってしまうと、資格がなければどれだけ経験を積んで一人前と認められない身分。つまりb)なのです。
だから、特許事務所の所員をしながら受験勉強をしている人は、合格するまで受け続ける、という人が少なくありませんでした。
また無職、という人も、b)に属する人が多かったはずです。いつまでも浪人を続けるわけにはいかないでしょうから。
退路を断ったからといって、突破できる保証はありませんので、自分の責任で選択するしかないのですが。
(2015年12月作成)