商標権を取得している会社(仮にY社とします)があり、
個人事業主(仮にA氏とします)がその商標権を侵害しているのだが、
という相談がありました。
「侵害しているのだが」と切り出したということは、
訴訟までを考えてはいないです
というニュアンスを感じましたが、やはりそうでした。
商標権に係るマークと、個人事業主さんが使っているマークは、
同一ではありませんが、類似範囲と言えそうです。
訴訟をすることまでを考えていない、という理由を尋ねてみると、
個人事業主さんの方が早くから商売をしていることを、
Y社さんはご存知だったからのようです。
「先使用による商標を使用する権利」を個人事業主さんが確保しており、
商標権侵害にならない可能性が出てきました。
一方、
侵害行為を放置していると、
「その行為は商標権侵害ではないと容認した」と思われる
というリスクがありますよ、ともお伝えし、相談は終了しました。
その後、Y社の社長とA氏とは、A氏の個人事業において主従関係にあった、
ということが、別の情報源から判明しました。
Y社の社長は、A氏から独立し、A氏が商標登録していないことを知って
商標権を取得し、A氏の顧客を奪おうとしている、
というような図式が見えてきました。
ヤレヤレ・・・
(2016年1月作成)