同業者の研修において、グループディスカッションがありました。
私を含めて5人のメンバーだったのですが、皆、「特許」を専門としていました
(分野は異なっていたようですが)。
さて、グループディスカッションのテーマは全部で5つあったのですが、
商標に関する実務問題がテーマとなった時に気付いたことを書きます。
メンバーが席順に検討事項を挙げていくと、3人目でだいたいの事項が重なり始めました。
席順でたまたま最後だった私は、前4人が指摘しなかった検討すべき事項を2つほど列挙しました。
「なるほど」という空気が流れたので、少々驚きました。
多くはないとはいえ、私が商標の仕事も経験しているからこそ気づけた点だったのでしょう。
勤務していた頃は職場に商標専門の弁理士がいたので、テーマとなった商標実務問題のような事例は、
自分で担当することなく、専門の弁理士がこなしていました。
その頃の自分がこのテーマを検討したら、自分が指摘した最後の2つの検討事項には気づけなかっただろう。
そんな風に想像できました。
たまたま経験があると気付けることがある。一方で、経験が無いことは気付くことは難しい。
未経験の分野でも少しずつ経験しつつ、その未経験の事例についても気付けるような
「仕組み、仕掛け」がないと、気付くことができないまま時が流れてしまうことになります。
そして、「経験年数」だけが積み上げられ、「ベテラン」になってしまう・・・
自分としては、専門外の仕事があった場合に電話やメールで教えてくれる仲間がいる、ということで、
「仕組み、仕掛け」は用意しているつもりです。
が、それで充分なのか、妥当なのか、は、(多くは専門家でない)依頼者が最終判断するのです。
「代理人業」の難しさを、またまた考えさせられました。
(2016年5月作成)