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◎「職人的技能」の継承について(3/4)

 日本のバカなところは、教えるシステム作りが下手なところ。
日本の凄いところは、教えるシステムが合理的ではないのに、職人的技能が承継されているところ。

 しかし、教えるシステムの合理化は、知財の業界では「待った無し」であろうと感じます。
日本弁理士会における研修制度は、IT化とともに、ドンドン合理的になっています。
 とはいえ、「教える、教えられる」というのは、どうしても現場の依存度が高い。
本質がサービス業だからでしょう。

 私自身は、育てていただいた前の職場において、「教えるシステム」の構築を目指して、
マニュアル作りなどに携わりつつ、現場の管理職も経験しました。
 また、「管理職」についての給与体系についても提案し、採用していただきました。
(ここまでやって、ようやく「システム」っぽいですよね)

 ただ、小規模、中規模の組織では、どうしても限界があります。
また、大規模な組織でも、「教えるシステム」に対するトップのポリシーとコミットが重要です。
中途半端なコミットでは、「人材流動の多い」組織になり下がります。

 「独立」した知人達も、組織として発展しかけると、必ずこの問題にぶち当たっています。
そして、コミットを放棄せざるを得なくなり、ポリシーを変更しつつ日々の現実に追われる、
という知人の方が、(紆余曲折があったとしても)長期的に発展している知人よりも多いようです。

     (2016年8月作成)