私の友人の独立とその成功の話を、学生時代の自分が聞いたら
どんな反応をしたでしょうか。
自己表現ができることこそ、天職なのではないのか?
できないなら、(リスクを冒して)独立した意義が薄れるのでは?
といったことが頭を過ぎったことでしょう。
では、十年前ならどうか?
貧乏しても自己表現をしたいのか、
自己表現や自己実現を隅に追いやって、まずは独り立ちするのか
といった葛藤で日々を過ごすのが「独立」なんだよなぁ。
と思ったのではないでしょうか。
蛇足ながら、独立直後に経済的な自立を果たしつつある友人への嫉妬は、
たぶん抱かなかっただろうと思います。もちろん、今も全くありません。
「天職」は、他人と比較するようなものではないと分かっているのです(きっと彼も)。
独立して十数年を経過した今は、
未だに「自己実現」に拘るぞ、という覚悟
世の中への妥協と自己表現とを両立する難しさ
を、未だに抱いている自分がいます。
独立して間もない友人と、お互いの(それなりの)苦労話を、
ビールジョッキ片手に笑顔で話せることを幸せに思います。
(2016年11月作成)