地域団体商標の実務を巡って、同業者S氏と議論になりました。
S氏は、
特許庁による登録要件の判断が厳しくて・・・
と愚痴を漏らしたことがきっかけです。
どうして「地域団体商標」でなければ駄目なのか?
と彼に質問したところ、私が納得できる回答は出てきませんでした。
そもそも「識別力」を原則として商標の登録制度があるわけで、
識別力がないという運命を背負って、例外的に認めようという制度でしょ。
だから、登録もハードルが高いし、登録後も運用管理が大変なはず。
だったら、「識別力のある普通の商標」で登録を狙いませんか?
と助言しないのはなぜなのか?
とS氏に、私の疑問をぶつけました。
彼の反応を解釈すると、「例外として登録を認める制度」という認識を、
私ほど抱いていなかったようでした。
S氏の依頼者やその背景事情など、詳細は私には分かりませんし、尋ねませんでした。
しかし、
地域団体商標を登録して欲しいと依頼されたから、その通り仕事をしている
ということであるならば、
S氏と私とは「仕事に対する哲学」のようなものが食い違っているかもしれません。
(哲学が違っている場合、哲学が違うと認識できた、ということが議論の成果でしょうか)
(2016年12月作成)