実は、このシビアな経営者M氏と話をした際、個人事業主のK氏が同席していました。
そのK氏は、私とM氏とのやりとりが一段落した際に、こう言いました。
経営者本人の人件費って、ゼロ(って感覚)なんだよね。
だから、外注費用を削りたい場合、削るための労働を自分でしちゃうんだよね。
とM氏の代弁をしたのです。 これは衝撃の言葉でした。
(税理士さんに失礼かもしれない「外注」という言葉ではありますが、
本質を突いている言葉なので、そのままで)
私がこの言葉に衝撃を受けた、という理由は、
「外注費を削るために自分の労働時間を増やす、というのは自分にはできないことである」
と、独立してしばらくしたときに気付いたからであり、
それに気付いてから随分と時間が経っていたから驚いたのかもしれません。。
シビアな経営者というのは、他人に対して厳しいだけではなく、
自分も大変さを背負っているのです。
世の中、「時短」やら「労働環境の整備」やらと、騒がしいのですが
(まあ、昔からあったことでしょうけれど)
経営者というのは、「時短」という言葉はきれい事に聞こえる世界で仕事をしている。
そういうことなのです。
それを良い、悪い、と批評するヒトは、現場のヒトではない。現場を理解していない。
そういうことなのです。
雇われる側および雇う側の両方を経験しなければ、判らないことがたくさんある。
しかし、雇う側を経験したことのある数は圧倒的に少ない・・・
(2017年2月作成)