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◎読者を消費者と解釈すると

 知人が本を執筆したことで、自分の経験したことと照らしながら考えてみたことです。

 商品やサービスを購入した購入者を「消費者」と呼び、
お金を払ったのだから、と強い立場になります
(それは傲慢なのだと思いますが、ここでは本題から逸れるので避けます)。

 「読者」も「消費者」の側面を持っているので、
購入した商品たる「本」を勝手に使います。
 つまり、著者の意図がどうであれ、勝手な解釈をするのです。

 取扱説明書を読まずに購入した製品をいじり回し、
お客様センターへクレームの電話をする消費者がいるとの話はよく耳にします。

 本は、その全てが取扱説明書、と言ったら言い過ぎですが、
読者も、拾い読みや誤読をします。読みたいように読み、勝手な解釈をします。
著者の意図しない解釈もするのです。
 著者へクレームの電話をかける、という行動に出る読者は少ないでしょうが、
インターネット上の掲示板、SNSなどを使って文句や批評を書き込む、
というのは珍しいことではない。
 著者の書いたことが、自分や自分の組織、業界に不利益となるような場合、
影響力があればあるほど、著者に対する攻撃は激しくなるのでしょう。

 「読者」も「消費者」の側面を持っている。
インターネット、SNSの登場による変化として言われる「一方通行から双方向性へ」も、
同じことが起きている。
 そう感じたのでした。
 
    (2017年2月作成)