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◎学んだことが役立たないと感じた後で

 とある「住民説明会」なるものに出席するという体験をしました。
ある公共施設の建て替えに関する説明を、自治体の公務員さんが行うという会でした。
 お役所さんが説明をし、住民の方々から意見を聞く、
というのが説明会でありましょうか。私にとっては初めての経験でした。

 私自身はその説明会の対象者である「住民」ではなく、お役所の人でもありません。
全くの見学者でした。よって、客観的にその様子を見ることができる立場だったはずです。
 しかし、少し熱くなってしまいました・・・

 質問者の質問というか意見というか、要望が、いくつもありました。
 話が理論的でなく、事実と解釈の区別もゴチャゴチャの勝手な「放言」がほとんどでした。
 しかし、そうした放言の中に「住民の気持ち」が代弁されていると、住民の皆さんが感じると
拍手が起きる、「そうだそうだ」と声が上がる・・・
 そして、おきまりの決め台詞「俺たちだって、税金、払ってんだから!」

 新聞報道などで目にする「住民の声を無視した行政の勝手な決定」
という報道の仕方が一方的だな、と思いました。
 あんな勝手な意見じゃ、無視して推し進めないと行政は何もできない、
と感じざるを得ませんでしたから。

 理論的でなく感情的で、自分に都合のよい勝手な解釈に基づいた放言に対して、
交渉学は無力なのか?
 いえいえ、私の勉強不足、経験不足であり、交渉学は無力ではないはず。
 感情的で身勝手な交渉相手は、ジックリと時間を掛ける、ということを前提に、
論理的ではない発言を一つずつ潰していく、という粘り強さが必要だろうと思います。

   (2017年4月作成)