先輩の同業者のSさんが、
日本の中小企業が技術系の展示会において、自社のパンフレットや、
質問に対する回答において、技術流出を引き起こしている
という指摘を、自らのブログにてされていました。
そして、日本メーカから技術ノウハウを不正に盗んだ韓国企業との裁判にて和解が成立したというニュース報道を受け、
『技術を持つ日本の中小企業は、この事件を教訓に、その技術漏洩に気を配るべき』
指摘されていました。
私は、Sさんに対して、
「気を配るべき」と広報すれば、
『技術の肝心なところを口頭乃至パンフレットで流出させてしまっている』
ということを、やめときますわ、となるでしょうか?
と質問しました。
単なる広報をしても、技術流出のストップにならないと思ったからです。
中小企業としては、
新たなお客さんが欲しい、仕事が欲しい、
というモチベーションから展示会でパンフレットを配布したり、
過剰な説明をしたりしてしまうのだと想像したからです。
「気を付けて下さいね」という注意喚起で終わらせないこと。
仕事が欲しいというモチベーションをどうしたら完全に押さえ込めるのか、
または、そのモチベーションを超える何かを提供するのか、・・・
そのために頭を捻り、示唆する方法を考えたり、行動したりするということ。
それがコンサルティングなのでは、と考えた出来事でした。
上の事例では現場に出向いておらず、現場(の問題点)を想像しただけですが、
この「想像(ができること)」はコンサルティングにおいて重要なはずです。
(2017年4月作成)