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◎小説への感情移入と学び

 休日の朝、ウィークデイよりも早く目覚めてしまい、小説を読み始めました。
お人好しの主人公が、古い友人に頼られ、葛藤するストーリーでした。

 主人公の心理描写が鋭いなぁ、と引き込まれ、夢中で読み進めたのですが、
登場人物のいずれにも感情移入はしていませんでした。

 主人公が高校時代を思い出す瞬間辺りの描写を読んでいて、ふと、

   自分が高校生の時は、登場人物への感情移入が激しかったはず

と思い出したのです。
 それを思い出してからは、いくつかの場面を読み直し、かみしめました。
しかし、高校生の頃のような感情移入を今はしていないな、と感じました。

 感情移入が大きいと、小説からの影響も大きい。
影響は良いものばかりではない、といつの頃からか釘を刺していたようです。
 それは自ら刺した「釘」であり、その釘を刺すことになったことも、
読んだ小説による影響であるな、と自覚しました。
 どの小説、と特定できるものではなく、いくつかの小説によって
感情移入を抑制するようになったのだな、考えるに至りました。

 感情移入によっていろいろなことを学んだ時期、があった一方、
感情移入を抑制する、という学びを得た時期もあるのだな、と。

   (2017年5月作成)