東京工科大学にて大学教員をやっている4~8月は、私にとって現在の大学生と直に接する貴重な機会です。
しかし、直に接していることで沸いてくる疑問を、
直に接している学生から回答を得られるか、というと、そうではありません。
たとえば、現在6年目となっている学部3年生向けの授業では、
2年目以後は、ほぼ同じ形式で期末試験を実施しているのですが、
毎年、同じように、「どんな試験をやるんですか?」と質問が来ます。
先輩から聞いていないの?
と、私は逆質問をしてきました。が、無反応です。
先輩からの情報を得ている学生は少ないようだ、という感触を得たのみ。
この疑問に対する回答を先日、ようやくもらったのですが、
その回答をくださったのは、東京工科大学OBの実験講師Iさんでした。
現在の学部生は、サークル活動をほとんどしません。
アルバイトをするか、気の合う数人とつるんでるだけ。
とのこと。
東日本大震災を機に、「節電」のために、校舎の開放時刻が繰り上げられ、
サークル活動そのものに、大きな制限ができたことが、一つの大きな要因のようですが、
もしかしたらサークル活動に興味がない世代なのかもしれません。
いずれにしてもサークル活動をしないので、先輩からの情報、を得ることなく
大学での勉強をしている、というのが、(東京工科大学の)学生の現状のようなのです。
スマートフォンなどの普及によって、情報収集は得意な世代
という印象を漠然と抱いていたのですが、誤っているかもしれません。
つまり、
人間を介して情報を得る、という手法そのものを知らない、
ということのようです。
(2017年5月作成)