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◎スピード優先という依頼者の本音(を見抜けなかったこと)

 スピードを優先して欲しい、できれば一週間以内に何とかして!
という依頼が舞い込んできて、終末をつぶし、5日で納品しました。
 その仕事をするために、本来予定していた他の仕事を後回しにしたり、
色々なスケジュール調整もしました。
 「質」を犠牲にしてでも、「5日間」という納期を最優先したのです。

 ところが、納品後、依頼者が、自分の利害関係人さん達と顔合わせをして欲しい、
と連絡があり、嫌な予感がしました。
 依頼者自身がその打ち合わせには同席できない、と言い出した瞬間、
嫌な予感は膨張していきました。

 その納品書類の利害関係人さんたちは、私の仕事に関する「特許可能性」について、
質問(という名を借りたさまざまな要求)をしてきました。
 その質問の受け答えをしながら、「切れてはいけない」と自分に言い聞かせていました。

   「5日間」という納期を最優先するために、特許可能性はある程度犠牲になっても良い
   そもそも、特許取得の可能性は我々にあるのではなく、発明の質にある

という同意が、この場に同席しなかった依頼者との間でできていたからこそ
引き受けた仕事だったのに、という言葉を呑み込みつつ。
 スピード優先と口にしつつも、依頼者らの本音を見抜けなかった自分が間抜けだったのだ、
と、時間経過とともに反省はするものの・・・やり切れない思いです。

    (2017年6月作成)