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◎セミナーと授業との大きな違い(2/2)

 いちばん衝撃を受けた自由記載欄の言葉、少し長いですが、全文を引用します。

  「試験が不安です」というアンケートに対して「勉強して下さい」と無意味な回答を載せてくる辺り、
  無駄にイラッとしてくるし不快でした。
  しっかり勉強していても不安なこともあるはずです。
  質問に質問で返してくるのとか、意味不明です。

 『質問に質問で返してくる』、というのは、普段の授業においても

   こういう質問の仕方では、質問内容が伝わらないですよ

という例示、コミュニケーション力の不足を指摘する意味として時々やっていましたし、
「コミュニケーション力の不足を指摘する意味でやっています」とも伝えていました。

 ですから、上記のアンケート記載をした学生が、そうした普段の授業を聞いていなかったのだろう、
普段はサボっていて、試験前だけ授業に出てきて、言いがかりを付けてきたのだろう。
 そう考えて、この記載は飲み込んでしまおう。
『意味不明』というのは、私にとってかなりきつい言葉でしたので、
これ読んだ当日は、そう思っていました。

 しかし、このコラムを書くために日を置いて改めて引用してみると、
 
   しっかり勉強していても不安なこともあるはず

とあるように、勉強しようという意欲があることが覗えることに気付きました。
 
 試験を受けて単位が取れなかったらどうしよう、という不安を抱える学生に対して、
「勉強するしかないだろ?!」というのは、(自分で言うのも変ですが)正論です。
 が、たとえ正論でも、それを振り回してしまっては、暴君なのだ、
と反省しました。

 学部生の授業を受け持って6年目ですが、「セミナーにはない試験が大学の授業にはある」
ということがこれほど大きいのだ、ということを実感したのは、初めてでした。

        (2017年8月作成)