特許事務所から企業知財部へ転身され、定年を迎えたTさんから、
中小企業の知財コンサルティングをしたい、との相談を受けました。
技術者のアイディアを発明として完成させる手伝いを永年経験してきた
ということを中小企業に活かしたい、とのことです。
T氏とは短くない(太くもないが)お付き合いをしていましたが、
T氏の仕事内容を知る機会がありませんでした。
そこで、Tさんと守秘義務契約を締結し、
私に舞い込んできた相談案件をTさんに開示して、どのように仕事を進めるか、
OJT的にシミュレーションする、という機会を設けました。
その機会を通じて、ここに開示できることを書いてみます。
私への依頼内容は、あるアイディアがあり、製品化をしたい。
製品化には、依頼者が属する会社のみでは実現できないので、
協力してくれる会社へ持ち込みたい。持ち込む前に出願を済ませたい。
といった内容です。
T氏にその書類を開示したところ、
「このアイディアでは、特許出願できるレベルではない。発明未完成だ。」
として、依頼者へ製品完成の手前くらいまでの図面を要求する、あるいは
発明が完成するまで待つ
という手順となる、と結論されました。
(2017年8月作成)