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◎企業知財部の出身者と中小企業(3/3)

 知財の実務に精通すると、「モヤモヤした概念を言葉にする能力」
が鍛えられていきます。
 この能力を、「知財」を媒介に(中小企業)経営へ活かせるのではないか?
という問題意識から発したのが、『知財経営コンサルティング』
というキーワードである、と単純化してみます。

 私の経験から結論から言えば、(中小企業)経営者にとって、
知財実務に(のみ)どっぷり浸かった実務家は、自分が経営する会社に役立たない。
それどころか、邪魔な助言ばかりしてくる。そう感じている、と私は思います。

 言葉を巧みに使われる(中小企業)経営者は多くないので、
僭越ながら私が代弁してみると、

   知財実務家は、「知財」という狭い領域の部分最適化と、
   「知財」による長期的な最適化 しか考えていない。
   一方、経営者は、カネ、ヒト、モノの最適化を、まずは短期的に最適化し、
   その上で長期的な最適化を考えている。
   だから、経営者にとっては、邪魔な助言にしかならない。

 本テーマでの連続コラムで紹介したT氏では、中小企業の経営を助ける仕事にはならない。
むしろ、全体最適化においてはブレーキになりかねないのです。

      (2017年8月作成)