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◎交渉力は説得力でもある

 ある会議でのこと。
メンバーは私の他、議題を提出したA氏、B氏、C氏の4人でした。
C氏は、この会議への参加が初めて。B氏は交渉のプロフェッショナル。
A氏は最年長、私はB氏と同年代、という構成でした。

 A氏が提出した議題およびその方向性に真っ向対立したのが私でした。
A氏に対しては、これまでの会議でも異議を述べていたのに、
同じような異議が出ることが明確(と私には思われた)な議題を出してきたから。

 私もA氏も簡単には折れない論戦が始まりましたが、
私としては、A氏の説得は無理、と諦めを抱きながら論戦をしていました。
その雰囲気を察したのか、場を和らげようとする発言をC氏がしましたが、
和らぎません。

 B氏がそこで(私への、というよりもこの場への)助け船を出しました。

   Aさんは「ZZを推進したい」と仰るが、「ZZ」をするためには、
   1万時間の実務経験が必要、と一般には言われている。
   Aさんにそこまでの経験がないことは、明らかですよね?

 言葉に詰まるAさん。その後の反論の言葉も、無理矢理出てきた、という感じで、
全く説得力がありません・・・
 B氏が、先の「一般的には」の例示を更に続けると、A氏は無理矢理の反論もしなくなりました。
そして、程なく、陥落。

 さすが交渉のプロ。そう思いました。

 もし、A氏が私ではない(B氏でもない)誰か別の人と論戦をしていたとすれば、
私も冷静に、「一般論やデータによる比較」などの客観的な材料を提示する、
ということに思い至った(至ることができた)かもしれませんが・・・

   (2017年11月作成)