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◎訴訟に対する経験豊富なM先生のお言葉

 知財関係の訴訟が提起された旨を報じる記事の中に、被告側の社長のコメントとして、

『我が社にも、相手方にも信じるものがある。
今は、その折り合いがついていない状況だ』

というのを見つけました。
この言葉を見て、私が思い出したのは、
知的財産関係の訴訟を、裁判官としても弁護士としても、多く手掛けられたM先生(故人)が、晩年なさっていた勉強会で仰っていた言葉です。

『知的財産権で訴訟をして判決を得る、というのは(最高裁まで行ったとしても)
最良の解決策ではない。 私は、和解が一番だと思っている。
「形のないモノ(知的財産権)を、どれだけ言葉で争っても、決着など付かないのだから。』

 穏やかなM先生のお人柄が表れた言葉でした。
その勉強会へ参加されていた方々の中には、M先生のご経歴から、
裁判で勝つコツ のようなモノを期待されていた人は少なくなかった、
と、その勉強会の雰囲気から感じていました。
そうした期待をされていた方の心には響かなかったかもしれません。
しかし、私の中には、深く刻まれています。