「任期付き審査官」という制度が始まって十年を超えました。
任期を既に終えて、再び民間人となる「元・審査官」が今後何年も出てくるわけです。
「任期付き審査官」が任期を終えると、弁理士資格が付与されますから、
弁理士試験の合格者以外にも同業者が増えることとなるわけです。
さて、特許庁から出向先で勤務されている元・審査官の方とお話をしていて、
気になることを耳にしました。元々、私が以下のような質問をしたことからです。
私;審査が凄く早くなっているのは、実感しています。
目標だった「審査請求から11ヶ月でファーストアクション」
は、既に達成されているのではないでしょうか?
そうですね、という返答に続いて、
行政という組織は、一度始めた制度を手放さないというところがあります
と仰いました。一般論としての解答なのでしょうが、
「なるほどなぁ」と思わされました。
公務員を大幅に増員することは難しいこの時代、
期間限定で公務員を増やすことができる「任期付き審査官」の制度は、
他の行政機関から羨ましがられた、と耳にしたことがあります。
そうした中、「特例」で認められた(且つ、予算も付いた)制度なので、
よほどのことが無い限り手放したくない、ということでしょう。
とすれば、「よほどのこと」を起こさない限り、試験制度とは別に、
同業者が増え続けるインフレーション状態ということになります。
大局観を抱いて、「任期付き審査官」という制度を考えたり、
今後の日本の産業界を考えると、どのようになるのか・・・
考えたら「手放したくない」という状態を変化させる必要がある、
と考えるのは、私だけでしょうか。