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知財制度は創造の妨げ、と感じる学生

私が現在関わっているデザイン学部、デザイン工学部では、知的財産論、知的財産権論は、必修科目ではなく、選択科目とされています。
一方の大学では授業開始から2回目を終了するまでに履修登録の完了、
別の大学では授業開始から2回目までに履修科目の変更が可能、
となっています。
それを踏まえて、1,2回目の授業では各論へ入らず、
全体を見渡すような概論的な講義をしています。
それでも、

_  知的財産権という制度は面倒なルールばかり
_  (自分の)創造性や創作意欲の邪魔になるルール

という解釈しかできない学生が少なくないことが、アンケートなどから把握できます。
創作は自由にやらせろ! という欲求がルールへの反発になっているようです。

_  ルールのない競技はない
_  制限が存在しない創造(アウトプット)もない

ということを、懸命に伝えようとしていますが、
「聞きたくない」ことは、耳に届かないかもしれません。
履修登録が完了していない段階では、知的財産論を『自分の創造を妨げる悪法』
と思い込んだ学生は、履修を取りやめているかもしれません。

私自身、『管理は創造を生まない』と思っている(半ば信じている)ので、
知的財産権という制度を「管理手法」と捉えたら創造を妨げるかもしれない、
と危惧しています。
危惧しているからこそ、管理手法の一つではなく、

_ 創造を推進する知的財産論
_ 後の選択肢を広げるための権利取得

といったことを伝えるべく、授業を組み立て、毎回の授業をしているつもりです。

(2018年5月作成)