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個性を伸ばしつつ周囲への配慮ができるようにする教育

夏の甲子園で話題となった一つに「派手なガッツボーズ」がありました。
三振を奪った投手が三振した打者に対して雄叫びを上げてガッツポーズを繰り返し、
それを主審が二度(二度目は厳しく)、指導した、というものでした。
打者に対する侮辱行為になる、ということで、スポーツの世界では、
半ば常識的な(国際的にも)「マナー」である、と私のような者でも認識しています。

このニュースを見て、指導を受けた投手の監督さんは、
ここまで問題になる前に、どうして指導しなかったのか、という疑問が沸きました。
教員を養成する教員をしている友人に尋ねたところ、

___  派手なアクションを含めて「個性」と捉え、「伸ばす」ことを
___   (周囲や他者への配慮よりも)優先したのでしょう

という趣旨の回答を貰いました。

『個性伸長教育では、他者に配慮するというファクターは優先順位が低くなります。』

とのことで、主審からの指導を受けた投手は、(監督からはそうした指導を受けておらず)相手打者への配慮ができなかった、ということのようです。

「個性を伸ばす教育が大事!」という趣旨の声が多方面から上がるようになって
久しいと感じます。
一方、「周囲や他者への配慮を!」という声も強い。
この二つは、二律背反になりやすい、ということを、私は認識したことがありませんでした。

個性を伸ばし、周囲への配慮も、ということを両立させる策を模索しつつ、
指導していくというのが、教育のプロなのかもしれません。
事実、両立への創作的な試行錯誤を、教員養成において指導するそうです。

「教育」には、二律背反になりやすい要素がたくさんあるようで、
素人判断では失敗してしまうことが少なくなさそうだ、と感じたのでした。

(2018年8月作成)