大学の単位において「工場実習」というものがありました。
自分で「工場」へ出向いて3週間以上の実習をし、
工場責任者の証明を添えて実習レポートを提出する。
それによって、「2単位」が取得できる、というものでした。
大学2年生の春休み、自動車整備工場(ヤナセ系列)にお願いして実習をさせてもらい、
レポートを提出し、2単位を取得しました。
しかし、この単位を取得した同級生は、誰もいませんでした。
こんな面倒な単位取得には、誰も関心が無かったのでしょうが、
私は、「職業の選択(就職する会社の選択ではなく)」をしっかりしたかった、という気持ちが強かったため、
職業選択に役立ちつつ、単位取得が可能、というシステムに感謝していました。
就職の話題になった際に「クルマ会社へ行きたい、ホンダかニッサンかな?」とか、
電機メーカが良い、というような会話に、私は馴染めませんでした。
会社を選んでも、新人研修の挙げ句「エンジニア」ではなく、「営業職」となる、といったことでは困る、と考えていたから。
現在では、希望の「職種」というのは、入社時や入社後にかなり考慮されるようですが、
当時(1984年)はそうでもなかった、というのが、私の印象です。
とにかく、「就職」と言いながら「就社」という
大学内および新卒を受け入れる会社が醸し出している(と私が勝手に思っていただけかもしれませんが)空気が大嫌いでした。
テレビなどの街頭インタビューで「ご職業は?」と尋ねられた方が
勤務先の社名を答える姿。
当時はそれが当たり前(私はそれが嫌いだった)でしたが、
現在では「職種」を回答するのが、普通になってきましたね。
(2019年6月作成)